イヴと葵は「ダブルス選手権」準決勝へと勝ち進む。相手は静岡・香蘭女子の飯島&伊勢芝ペア。イヴたちの試合をみていた姫川は、勝敗の行方を左右するのは飯島になるだろうと分析する。その飯島は、並々ならぬ決意で試合に臨んでいた。
中学時代、亜室の教え子だったが、特技である「イン・ザ・ゾーン」の方針を巡って決裂した過去があった。自分のゴルフが正しかったことを亜室に証明するため、勝利を誓う飯島。しかしその特技を使えるのは、彼女だけではなかった。
意識を失った葵は病院で精密検査を受けたが、どこにも異常は見つからなかった。葵は2日後の「ダブルス選手権」決勝に向けて養生することに。そんな中、亜室が訪ねてくる。「1つだけ魔法をかけてあげようと思ってね」亜室はそう言うと、3つのショットを完璧にトレースしてみせた。1つ目は全盛期の世良、2つ目は一彦のショット。しかし葵には、最後の3つ目が分からない。そのスイングは葵自身の中にある、と亜室は語る。葵が受け取ったものとは…?
「ダブルス選手権」決勝。勝敗がかかった15番ホールで、イヴは「レインボー・ショット」を放った。それを見た亜室と世良は、イヴが穂鷹一彦の娘であると確信する。亜室、世良、そして一彦と、アテナ・ブランドの因縁は、数奇な運命を辿っていた。全ての始まりは20年前。若き日の亜室、世良、一彦の3人は、天鷲グループの社長・天鷲剛三の元に集められた。剛三の目的はアテナ・ブランドを洗練させること。そのために必要なのは「伝説を作る」ことだと剛三は告げる。
世良の決定によって、イヴは強制的にナフレスに送り返された。記憶を取り戻し、自分が何者なのか知りたくなったイヴは、ヴィペールとコンタクトをとり、母・エリノアについての情報を得る。エリノアの父は、ミハエル・バートン。ミハエルはヨーロッパ最大のゴルフ・ブランド「アリオス」の創設者にして、ナフレス最大の勢力を誇るマフィアのボスだった。バートン家の墓参りに行ったイヴは、アラン・ハーヴェイと名乗る老紳士と出会う。イヴがそこで知ることになる、両親の過去とは…?
プロになるためにイヴに出された条件は、「ヨーロッパ・レディス・オープン」で優勝すること。だがその前に、イヴはカトリーヌとの間に起きたごたごたを清算しなければならなかった。ミハエルが仲立ちをして、ゴルフ勝負に勝てば今後一切の手出しはしないという約束をとりつけた。カトリーヌが用意した対戦相手はアメリカ裏ゴルフ界トップに君臨するリメルダ。イヴは日本から呼び寄せた専属キャディー、早乙女イチナと共に、再びの命懸けの勝負に挑む!
葵のプロ転向がかかっている「日本女子オープン」が控える中、雨音はそのライバル選手である賞金女王・敷島零華プロと会っていた。雨音は零華に、頼まれていた葵のデータを渡し、あることを告げる。一方葵は、亜室が基礎設計した専用ゴルフクラブ「シャイニング・ウイングス」を手に入れる。葵のショットの調子を見ていた亜室は、その最中に意識を失い倒れてしまう。亜室を心配し、動揺する葵。亜室は実の父かもしれない…。その謎が胸の中でわだかまったまま、葵は大会当日を迎えることになる。
「日本女子オープン」3日目が終わった。この時点で単独2位の葵はトータル11アンダー。15アンダーの首位・零華を4打差で追う。迎えた最終日、葵は好調をキープするが、一方の零華も精密機械のような正確なショットを積み重ね、なかなかその差を縮めることができない。そして5打差で迎えた15番ホール。天気が崩れ、雨が降り出す。だがそれは、雨音の読み通りだった。すべての条件が揃い、雨音は葵と、逆転をかけたある計画を実行する。
「ヨーロッパ・レディス・オープン」が開幕した。会場のルミナスクラブ・ゴルフコースは難易度が高く、攻めのゴルフを得意とするイヴとの相性が悪い。イヴは初日を終えて2オーバー、トップと3打差の18位タイに沈む。優勝への最大の壁はレオの弟子、アイシャ・カンバッタ。強烈なパワーショットが得意で、その飛距離はイヴをも上回る。このままでは勝てないと悟ったイヴは、これまでのスイングを捨て、自分だけのショットを見つけようとする。
一彦のレインボー・ショットと、レオのバレット・ショット。2つのショットを持つイヴは、それらをかけ合わせた「レインボー・バレット・バースト」を編み出した。その飛距離はアイシャを上回る。3日目を終えた時点で、イヴは首位と1打差の2位、アイシャは3打差の4位につけた。その勢いのまま逆転優勝かと思われたが、バーストの反動でイヴの体は限界を迎えていた。これ以上、イヴにバーストを打たせてはならない。それを止めるのはイチナの役目だ。
イヴは「ヨーロッパ・レディス・オープン」に優勝し、プロになる条件をクリアした。だが無理をした代償は大きく、リハビリを含めて完治まで4ヶ月と診断される。一方の葵は浴室で倒れているところを雨音に発見される。病院で精密検査を受けると、脳に小さな影が見つかる。雨音は世良に葵を任せて、ひとりナフレスへと向かった。
――「2人で思い切りゴルフをする」。その夢を叶える時がきた。イヴと葵は「全英オープン」に挑む。しかし参加者は強豪揃い。その筆頭は昨年の全英覇者にして3年連続の賞金女王、ユーハ・ハミライル。2日目が終わった時点で首位は葵、2位・ユーハ、イヴは3位につける。最終日に2人でコースを回るためには1位、2位にならなければならない。迎えた3日目、葵は48インチのシャイニング・ウイングスを解禁し、イヴは「レインボー・バレット・バースト」を放つ。2人は約束を果たすため、トップギアで走り出す!
イヴにスキャンダルが持ち上がる。マフィアとのつながりや、賭けゴルフをしていた過去をマスコミにリークされたのだ。委員会はイヴのライセンスの停止、または剥奪の可能性を示唆する。逆風が吹き荒れる中、迎えた最終日。ティーイングエリアに現れたイヴの隣には、葵の姿があった。