Hexa Hysteria

遥か遠い未来、一隻の無人宇宙船が限りない暗闇の星空の中を進んでいる。

この宇宙船には目的地が無く、もうどれだけ航行しているのかも分からない。しかし、その上には滅亡したある種族の記憶が載っている。

その種族は自らを人類と称し、かつて地球と呼ばれる星に住んでいたらしい。

彼らはかつて高度な文明を持っていた。ある時、自身の知恵を超える人工知能を造り出し、それと共にこの宇宙船を製造するほどのテクノロジーを発展させた。

しかし、いずれにしても、彼らはもはや歴史の塵であり、時間の彼方へと消えてしまった。我々が誕生するよりも遥か昔に、彼らはすでに絶滅しており、一つも個体が残っていない。

なぜ彼らはこの宇宙船を製造したのか？自身が生まれた銀河系から離れて、さらに遠くの銀河を開拓しようとしたのかもしれない。

もしくは、彼らがかつてこのような形で存在していたということを、未来の文明にただ証明したかっただけなのかもしれない。

あまりに長い時が経ってしまい、我々は彼らの本当の目的を知り得ることはできず、根拠のない憶測しかできない。

それでも、粉々に砕け散った記憶を見ると、言葉にできない哀愁を感じてしまうものだ。そうだろう？