勝負!
練習試合が終了し、立花家に帰って来た走一郎と音美。走一郎は、投馬の球種とコースを健丈高校の打者に聞こえるよう口に出していた理由を「投馬が慢心しないようにだ」と言うが、音美に「ウソだ」と一蹴される。投馬が慢心して努力をやめてしまうような男ではないと、走一郎は知っているはずなのだ。結局、走一郎は素直に「嫉妬してイジワルした」と白状するのだった。そんな家の中では、大山監督と英介の明青野球部OB会が盛り上がっていた。校歌を歌いだす二人。庭のテントでそれを聴いていた記憶喪失の男は、つられて校歌を口ずさんでいて……!? 6月、夏の地方大会前の予想の中で明青学園の前評判は非常に高かった。しかし“明青学園の追っかけ”間崎は浮かない様子だ。話を聞いていた記憶喪失の男が理由を問うと、明青学園にエースが現れたとき悲劇が起きると語り始める。走一郎と音美の実父・澤井圭一、そして30数年前の“上杉和也”……その名前を口にしたのは記憶喪失のはずの男だった。彼はなぜ“上杉和也”を知っているのか? 果たして記憶は戻るのか……? そして夏が近づいてきたある日、明青学園野球部ではラーメンをかけた紅白戦が開幕する!