おれに構うな
傷を増やして登校してくる錦に声をかける投馬だったが、「俺に構うな」と突き放されてしまう。錦の顔は傷だらけだが、手には殴り返したような痕はない。錦が夏休み前よりも身体が引き締まっているように感じた投馬は、今川に「あの傷はケンカなのか?」という疑問を伝える。思い返してみれば錦が監督を殴って退部した中等部での状況も、投馬がやってしまう可能性があったのだ。一方、トレーニング中の錦をつけ狙う不良たちの姿があった。自分たちと手を切ろうとしていることに腹を立て、しばしば錦を襲っていたようだ。そんな不良たちを一掃したのは、彼を気にかけていた二階堂だった。最後まで野球部への入部を諦めない錦の思いも通じ、今川は「顔の傷が治ったら練習に出て来い」と告げる。錦も加わり、軌道に乗るかと思われた明青学園野球部。しかし2年のブランクは相当のもので、理想的な状態になったのは秋季大会も終わった11月だった。錦だけでなく、投馬も調子が良かったわけではない。本格的に甲子園を目指すとなると、グチグチ選手のプレーに文句を言う大山監督ではなく、もっとちゃんとした監督を探すべきでは、などという話も出てくる。しかし大山監督のノートを見た今川たちは、あることに気が付き……。