京都で復活した不浄王の討伐に成功し、正十字学園での日常生活に戻った燐たち。しかし、正十字騎士團には悪魔に関する悩み相談が増え、世界各地でも異変の波が広がり始めていた。燐たち候補生は、協力して学園で起こる不可思議な現象を解決していく。そして迎えた正十字学園祭のさなか、啓明結社イルミナティの総帥である光の王・ルシフェルが突如現れる。ルシフェルは正十字騎士團に宣戦布告する——魔神サタンを復活させ、物質界(アッシャー)と虚無界(ゲヘナ)を融和する、と。そしてとある「計画」のため、出雲が必要だと言うが……。
魔神の落胤として生まれ、祓魔師を目指す少年・奥村燐は、悪魔が見えることに苦しむクラスメイト・醐醍院誠の相談に乗ることに。燐と同じく祓魔塾に通う候補生・勝呂竜士たちに悪魔を見えなくする方法を尋ねてみるも、解決方法は見つからない。そんな中、正十字学園の理事長であり、正十字騎士團の日本支部長であるメフィスト・フェレスに晩餐へと招かれるが……。
燐の双子の弟で中一級祓魔師である奥村雪男は、正十字騎士團の上級会議に召集され、「不浄王」復活の首謀者である藤堂三郎太について聴取を受けていた。物々しい雰囲気に疑念を抱いた雪男は、亡き養父・藤本獅郎の言葉を思い出す。一方、候補生たちは「トイレの繭子さん」退治の任務に当たることになるが、神木出雲は杜山しえみに対し、あるわだかまりを持っていた。
学園祭の準備で賑わう正十字学園。志摩廉造と燐は、音楽フェスとダンスパーティーに参加するためパートナー探しに奔走するが、ことごとく断られてしまう。諦めきれない燐は出雲を誘おうとするも、年に一度の祓魔師認定試験が迫っていることを理由にすげなく断られる。すっかり意気消沈する志摩と燐の前に、学園の編入試験に合格し、同級生となったしえみが現れ……。
アーサー・A・エンジェルとライトニングは、騎士團内に潜むスパイを捕らえ、啓明結社イルミナティがとある計画に必要とする人物の拉致を企てていることを知る。しかし、その実行時間は差し迫っていた。一報を聞いた霧隠シュラは、候補生たちを招集する。その頃、出雲は宝ねむと対峙していた。古びたマスコットを手にした宝に、怒りをあらわにした出雲だったが……。
光の王・ルシフェルの宣戦布告により、正十字騎士團各支部は混乱に見舞われる。そんな中、雪男と燐たち候補生は、出雲と志摩を取り戻すため、出雲の故郷である島根県へと出発する。拉致された出雲はイルミナティの極東研究所に監禁されていた。目を覚ました出雲の前に、イルミナティの制服を身にまとった志摩が姿を現す。そして、そこには出雲に関わりの深い人物の姿もあった。
宝によって召喚された出雲の使い魔・ミケ狐神により、稲生の地と神木家にまつわる過去が語られる……。古くから続く巫女の血統で、九尾の狐を鎮めるつとめを負う神木家の当主・玉雲。その娘である出雲と月雲。巫女として強力な神通力を持ちながらも、私生活は頼りなく奔放な母と、幼い妹と過ごす出雲の日常は、ある日この土地に現れた「いなり光明財団」の活動によって狂い出していく。
稲生観光都市化計画の裏で、イルミナティは徐々にこの地を蝕んでいった。ミケから出雲の過去を聞いた燐たちは、イルミナティの地下研究所の入口と思われる稲生へいわタウンへと向かう。一方、研究所では出雲が精密検査のために、外道院ミハエルの待つ部屋へと連行されていた。自ら騒ぎを起こした隙に、ウケ・ミケを召喚して脱走を試みる出雲。地上を目指して走るも、その行く手を志摩が阻む。
ルシフェルに心酔する外道院は、エリクサー研究の成果をあげようと更なる行動に出る。外道院の策略により、一人ひとり分断されてしまった燐たち。地下施設のコンテナで巨大な異形屍人と対峙することになるが、屍人が悪魔に寄生された人間だと知った燐は、刀を振るうことを躊躇してしまう。雪男、勝呂、しえみ、子猫丸もまた、独力での戦いに挑むことになり……。
コンテナを破壊し、合流することができた燐たち。しかし、外道院が差し向けた肥大化した膨張屍人が襲いかかる。極東研究所をエリクサー実験の聖域だと語る外道院によって明かされる稲生へいわタウンの真実に憤る一同だったが、そこに九尾の移植手術に向かう出雲が現れる。出雲を助けるべく降魔剣を手に飛び出す燐。阻もうとする志摩を殴り飛ばし、出雲に手を差し伸べるが……。
九尾を強制的に憑依させられ、圧倒的な力にさらされる中で振り絞った、助けを求める出雲の声に応え、膨張屍人を祓い、外道院の前に立ちはだかった燐。計算外の事態に混乱し焦りを滲ませた外道院は、時間稼ぎに大量の屍人を差し向けてくる。雪男たちも駆け付け応戦する一方で、出雲は従わせることも寄り添うこともできない九尾という狂気に飲み込まれようとしていた。
玉雲によって救われ、イルミナティの脅威を押しのけることに成功した出雲たち。稲生の地は正十字騎士團による制圧がなされ、一連の騒動は落ち着いた。だが、志摩はイルミナティの一員として去ってしまった。京都出張所から応援に駆け付けた志摩の兄である柔造と金造に、志摩がイルミナティのスパイであったことを説明しようとする勝呂だったが、逆に柔造から驚くべき事実が明かされる。
袂を分かったと思われた志摩の帰還。ライトニングによる尋問。ルシフェルと対抗するメフィストの思惑。さまざまに事態が動く中、イルミナティの地下施設でルシフェルと対面したことを隠していた雪男だが、志摩にはその事実を知られていた。志摩に「誰かに相談すべき」と忠告され、胸の内に不安を募らせていく。そんな折、メフィストの計らいで燐たちは慰労としてスパリゾートへ向かうことに。