場違いな姫君
季節は春。皇太子・若宮の后(きさき)を選ぶ「登殿(とうでん)の儀」が始まった。南家の姫・浜木綿(はまゆう)、西家の姫・真赭の薄(ますほのすすき)、北家の姫・白珠(しらたま)、そして病の姉に代わり急きょ登殿した東家の姫・あせび。山内の統治者・次期“金烏(きんう)”たる若宮の妻に選ばれるのは、四人のうちただ一人だけ。張り詰めた空気が漂う女の園で、あせびはまだ見ぬ若宮への想いを募らせていく。
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